ときのや薬局 健康コラム

健康コラム

2011/08/01

危険なペットボトル症候群

うだるような暑い日に、冷たく冷やしたペットボトルの飲み物をゴクンゴクンと飲み干したら、なんと気持ちの良いことでしょう。中身がお茶や水の場 合は何も問題はありませんが、砂糖入りのジュース、コーヒー、コーラ、スポーツ飲料などを続けて飲んだ場合は「ペットボトル症候群」と言う危険な状態に陥 りやすいので注意が必要です。 悪いのは容器そのものではなく、砂糖やブドウ糖入りの飲料水の話です。
ペットボトルが普及してから気軽に飲めるせいか若い人の間で増えています。 「ペットボトル症候群」とは砂糖入り飲料水を1日2~3リットルと大量に飲み続けることによって起こる急性の糖尿病です。 さて清涼飲料水の中にはいったいどれくらいの糖分が含まれているかご存知ですか? 約10%といいますから1.5リットルのボトルには150gの糖質が!(スティックシュガー3gが50本も)これらを飲むと、まず、血糖が上がってきます。
すると、膵臓からインシュリンというホルモンが出て血糖を下げる働きをします。 急激な血糖値の上昇に丁度良い量のインシュリンが調節できずに、ドッと出すぎてしまいます。 インシュリンが出すぎると今度は低血糖を起こし、再び糖分が欲しくなります。 これが頻繁に繰り返されると膵臓が疲れ果ててインシュリンが活躍しにくくなってしまい高血糖状態になります。と同時に血糖が高いと口や喉が渇きます。ここで又清涼飲料水が欲しくなります。
この悪循環から糖尿病性ケトアシドーシスとなって昏睡状態になることもあります。 「ペットボトル症候群」になりやすい人は、もともと糖尿病予備軍の人、肥満の傾向がある若い男性、健診で指摘された高血糖を放置していた人などです。 また、スナック菓子やファーストフードをたくさん食べる子供たちにも糖分の摂りすぎで同様なことが起きるかもしれませんね。ペットボトルの中身は水かお茶にしましょう。 そしてたまには、自分で血糖値を測ってみましょう。 熱中症予防には麦味参顆粒入りの水が効果的です。