ときのや薬局 健康コラム

健康コラム

2011/08/08

寝汗は陰陽のバランスの崩れから

寝汗は健康な方でもかきますが、ひどい方だと、ぐっしょりと寝汗をかいてしまい、何度か着替えなければならない方もいます。こうなると、睡眠もとれず体力も消耗するため、辛い症状となります。

漢方では寝汗と日中の汗は区別して考えます。気温が高い・水分の飲みすぎなどで汗をかくのは正常な生理現象ですが、必要以上に「眠っている間に汗をかいて、目が覚めると汗が止まる場合」は、身体のバランスの乱れがあると考えられます。また、この寝汗を盗汗といいます。

代表的な原因は身体を潤して熱を冷ます役目の「陰のエネルギー」が不足していることが挙げられます。痩せた方や、高齢の方に多く見られます。 このタイプは体液(陰)が不足している状態とイメージするとわかりやすいかもしれません。陰が不足していると、体内に熱がこもりやすくなります。 すると、身体は汗を出して体温を下げようとするため、過度の寝汗となってしまうのです。また汗を多くかくとさらに陰が不足し、悪循環に陥りやすくなりますので、漢方薬で早めのケアが必要です。

陰が不足する原因は、虚弱体質・慢性病・発汗しすぎ・辛いものや刺激物の取りすぎ・夜更かし・ストレスなどです。 陰が不足してくると、手足がほてる・のぼせ・頬が赤くなる・口渇・肌の乾燥・ソワソワ・イライラ・不眠などが特に夕方から現れることが多いです。 漢方薬では陰を補うもの(補陰薬)や熱を冷ますもの(清熱薬)で対応いたします。

もう一つの原因は「湿熱」という状態です。 胃腸に負担が掛かって飲食物を消化吸収運化するのに、自分の許容範囲を超えてしまうと体には不良な代謝産物ができると中医学では考えます。 これを「痰濁」とか「痰湿」と呼びます。これらに暑さやストレスやこってりした食べ物などから熱が加わったものが「湿熱」です。

アトピーさんの寝汗はこのタイプが多いです。

湿熱を尿で追い出す漢方薬でデトックスして寝汗やほてりを取り去ります。

同じ寝汗でも原因や体質や生活習慣で改善する漢方薬が違います。

かたや、潤い・冷却水を補う方法で・・・・・

かたや、邪魔な悪い水を追い出しデトックスする方法で・・・・

あなたの寝汗はどちらのタイプですか?

両方を併用することもあります。

予防として漢方を使っていくこともできます。寝汗は陰陽のバランスの乱れのお知らせと言うことができます。