朝日新聞に「ほろびゆく長寿村」という記事が載っていて食生活と健康と長生きの関係が示されています。
山梨県棡原は長寿の村として有名です。80~90歳の人たちが元気に鍬仕事をしています。
神奈川県に隣接するこの地域は交通の便が悪く陸の孤島のような状況で最近まで外部からの食料が入ってこなく、自給自足の生活をしていました。実際 に長生きしている人たちの食生活は米・麦・アワ・キビ・ヒエなどの雑穀、イモ類を主食とし、野菜や山菜などを副食にしてきたそうです。
肉や乳製品などはほとんど食べずに生きてきました。一見粗食に見える食生活をしながら、女性は多産で母乳の出ない人などいなかったそうです。ところが最近道路が整備され他地域との交流が盛んになるとともに食生活も含めて生活全般が急変してしまったというのです。
その結果最近では白米一辺倒、肉、乳製品、卵中心の食生活に変わり、このような食生活で育った若い世代に生活習慣病が急増し、死亡者も増加しているというのです。
老父母が中年の子供に先立たれるのを、村人は逆仏と呼んでいます。
戦前と比べると肉類は10倍、卵は6.4倍、乳製品は19倍も食べるようになっていたそうです。日本は世界一の長寿国だといわれていますが、100歳以上の 人たちが体を作り上げる若い頃は何を食べてきたのか、決して、現代の食生活によって長生きしてきたわけではないでしょう。
その土地でその季節に取れたものをその土地の料理法で食べるのが豊かさなのではないでしょうか。
次回はヨーロッパ人と肉文化の話です。