ときのや薬局 健康コラム

健康コラム

2011/03/01

アトピーさんの食養生は簡単!和食中心で

若い人にアトピー性皮膚炎の方が増えています。

痒みで夜も眠れず、赤く腫れてブツブツ、皮膚からは浸出液がジュクジュクと出てくるという急性期。さらに慢性期には、カサカサ・ゴワゴワと硬くなった皮膚 に亀裂が入り、水さえもしみるといった症状。このような症状に苦しんでいる方が多くなりました。

中医学では、アトピー性皮膚炎のこれらの症状は「湿熱」「血熱」「熱毒」が皮膚から噴出している現象ととらえます。ですから治療は「清熱解毒」「清熱利湿」という方法をとります。
「湿熱」などを生む原因は、環境汚染やストレス、生活の無理や昼夜逆転の仕事など現代社会の様々なことが考えられますが、なんといってもここ20~30年の食事の欧米化が大きな原因の一つと思われます。

中医学でいう「湿熱」とは自分の胃腸で処理しきれなかった食べ物がエネルギーに変わらずに、体に悪さをする邪気になってしまったものを言います。人によっ てアトピーや浮腫みや胃腸症状や倦怠感など現れ方は様々です。舌苔が厚く白や茶色になることもあります。中医学では皮膚病は胃腸病としてとらえます。です から食事の養生無しでは、アトピー性皮膚炎を治すことは難しいです。漢方内服と漢方外用と食養生の3本柱で取り組みます。

具体的には、いたってシンプル。昔のおじいさんおばあさんの食べたことの無いものは食べない。これに尽きます。「カタカナ」のお料理は控えて、全て「ひら がな」のお料理にすることです。高カロリー・高たんぱく・高脂肪の欧米食は日本人の身体には負担が多く、「湿熱」を生じさせてしまいます。日本人と欧米人 は体の作りや代謝システムが違うからです。

「皮膚病は胃腸病」といわれるように、胃腸が弱ったり胃腸に負担が掛かったりすると身体の中に湿熱が生じます。中医学では胃腸は消化・吸収して栄養を運ぶ 働き(運化作用)と、栄養を気・血に変える働き(気化作用)を併せ持っていると考えます。それらの働きがうまくいかないと湿熱を生じます。

現代の日本人が湿熱を作ってしまう原因は「食べすぎ、飲みすぎ」「冷たいものの摂りすぎ」「日本人の身体に合わない食生活(カタカナ料理のとりすぎ)」 「季節・風土を無視した食生活(冬なのに夏野菜・日本なのに熱帯の果物)」などです。では具体的にアトピーさんはどのようなことに注意して食生活を送れば よいでしょうか。
1 穀類など、和食を中心に「腹八分目」
2 肉・魚は充分に加熱し、1口30回咀嚼しましょう。
3 葉菜を中心に旬の野菜や海草類を、火を通してたっぷり
4 次のものは控えてください。甘いもの・脂と油(脂肉・揚げ物・ドレッシングなど)・香辛料の多いもの(キムチやカレーや唐辛子)・加工食品(ポテト チップス・ファーストフード・カップ麺・スナック菓子)・生もの(サラダ・刺身)・ 冷たいもの(アイス・ジュース・ビール・かき氷)・ 乳製品
5 湿熱を溜めにくくするデトックスのためのハーブティー「五行仙茶」を飲みましょう。
食事が変われば身体が変わります。身体が変われば皮膚もココロも変わります。
中医学では、「アトピーが治る」とは「再発しない身体を作ること」までを目指します。