春先は特に唇が荒れやすく、リップクリームが手放せない方も多いのではないでしょうか。
唇には皮脂腺も汗腺もありませんから、潤い補給が必要なのもうなずけます。
ですが、唇の荒れは寒く乾燥した空気のせいばかりとは言えません。
中医学には「脾胃(胃腸の働き)は肌肉をつかさどり、その華は唇に開く」という言葉があります。
その意味は消化器系の働きは、お肌や筋肉をコントロールし、消化器系統の弱りや負担は唇に現れますよ、ということです。
ですから、「唇」は消化器系統(脾胃)が潤わなければ自分で潤うことができないので、四六時中リップクリームに頼ることになります。
中医学では胃腸を潤す漢方薬として参苓白朮散、サプリメントとしてサージオイルがあります。
これらで脾胃を潤し、その結果唇が荒れなくなります。
女性にとっては「たかが唇、されど唇」つややかな唇は健康の証です。
胃腸から健康にしていきますと、潤ったのは唇だけでなく身体の中から潤うので体もお肌もイキイキとしてきます。
さて胃腸を整えるために一番大切なことは「食べ過ぎないこと」「自分の脾胃の力に合ったものを食べる」ことです。
食後眠くならない・おなかが張らない・もたれない、これが腹八分目の目安です。
無形文化遺産に登録され、価値が見直されている「和食」ですが、日本人の弱い胃、長い腸、少しの食事で労働できる体にぴったりなのはまさに和食なのです。
マスコミでお米抜きダイエットがもてはやされていますが、危険です。
穀類・長いも・かぼちゃなどは胃腸を整え、「気」を高めるために大切な食材です。
胃腸の負担を軽くすると、消化にかかるエネルギーに余裕ができて、体やお肌や唇を作るために活躍できるのです。