ときのや薬局 健康コラム

健康コラム

2014/05/03

 カサカサ・アトピーを漢方で治す方法       保湿だけではダメなわけ

楽しい連休が終わると悪化しやすい病気の一つに「アトピー性皮膚炎」があります。

外気が温かく汗ばむ季節、強くなった紫外線、乾燥した空気、お楽しみのご馳走などアトピーの方には、つらくなる要因がそろっています。

さて乾燥注意報がでるほど空気が乾燥してきますと、アトピー性皮膚炎でもカサカサ・パラパラの症状が多くなります。

アトピーは「病気を起こす原因=『邪』と体を治す回復力=『正』」の戦いと中医学では考えています。

アトピーの漢方治療は3段階に分けて対処します。

1      急性症状(ジュクジュク・赤み・痒み・熱感)の緩和・・・まず『邪』を鎮めて分解・排泄を促します。

2      慢性症状(カサカサ・ポロポロ・痒み)の改善。

3      丈夫な皮膚の再生・・・『正』を強めて肌質を強くする再発予防の段階。

『邪』の勢いが弱まってから『正』を強めて、アトピーになってしまう身体そのものを強化するという順番です。

2番目のカサカサ・アトピーは、まさにこの『邪』もまだいるけれど『正』の弱さが表れてくる段階です。

このカサカサ段階の時に「乾燥」だから→「潤い補給」よって→「保湿と潤いの漢方処方」ばかりをやってしまってはダメなことがあります。

火に油を注ぐことになりかねません。

カサカサしていても赤い・痒いという炎症がある場合はまだ完全に『邪』の排毒が完了していません。

『邪』の分解・排出と『正』の補給のバランスが大事です。

『邪』の排出なしに『正』を補うことを始めると「保湿しているのになかなか治らなくて・・・」ということになってしまいます。

段階ごとのアトピーの状態にあった漢方薬を選んでやっていくことが必要です。

アトピー治療は「内服漢方」+「外用漢方」+「食養生(日本人としての正しい食事)」の3本柱で取り組んでいきます。

アトピーの段階の見分け方は難しいものです。

焦って急いで次の段階に進みますと、急性症状が再発することもあります。

アトピーの漢方治療はその都度、皮膚の状態を観察して処方を決めていきますので、
インターネットのお買いものでは無理です。

専門家にお任せください。