ときのや薬局 健康コラム

健康コラム

2014/11/08

眼精疲労の漢方養生

眼精疲労とは、ものを見ているだけで目の疲れや痛みを感じ視界がかすんだり頭痛・嘔吐などが起きたりする状態です。

単なる目の疲れとは違い睡眠をとっても回復しない程の重篤な状態です。

実に情報の80%は目から得られるといわれています。

現代社会ではパソコンや携帯画面やすべての仕事において目を酷使する場面が増えていますね。

中医学漢方では目は五臓の中の「肝」のグループに属します。

「肝は目に開き、肝は血を受けて良く見る」という言葉があります。

肝は血液の貯蔵庫、そしてストレスの影響を受けやすい臓器です。

ストレスが大きいと肝臓から目への血流が悪くなり、目が栄養不足に陥ります。

漢方で眼精疲労は「肝労」と言われるゆえんです。

肝と血液と目は密接な関係がありますから「お産の後は目を使わないように」と助産師さんから助言されたのも頷けます。

さて中医学漢方では眼精疲労のタイプを大きく2つに分けて対処法を考えます。

1つ目は【肝血虚(かんけっきょ)タイプ】

目のかすみ・疲れ以外でも顔色悪い・めまい・冷え性・肌のかさつき・足がつる・舌は色が薄く歯型が付きやすいなど血の不足の症状があります。

この時は当帰を中心とした漢方に加えクコの実・人参・棗・レバー・ベリー類・小豆など赤いものやほうれん草・小松菜などを取り入れましょう。

2つ目は【肝腎陰虚(かんじんいんきょ)タイプ】

こちらは老化現象の一つです。

視力低下・目の充血・痒みや口の乾きのぼせ・手足のほてり・足腰のだるさ・舌は紅く乾いています。

体がオーバーヒートしたような状態です。

この時は地黄を中心とした漢方にゆり根・レンコン・黒ゴマ・黒米・山芋などを食べましょう。

眼精疲労と区別したい症状は、急激な視力低下・ギザギザが見える・光に虹がかかったように見える・言語障害や麻痺とともに現れる視野狭窄などです。

この場合は急いで眼科にかかりましょう。