中医美容「シミの原因はストレスと内臓の弱り」
ひと夏を過ごした後は「シミ」に悩まされる方が増えてきますが、シミの原因は紫外線だけではありません!
中医学美容では、シミの原因はホルモンバランス、ストレス、血流の悪さなど体の中にあると考えます。
女性特有のシミで「肝斑」があります。目の下から頬や口の周りにかけ、左右対称に広がる色素沈着です。
生理や妊娠や更年期との関連が強く、ホルモンに深く関係していますので体内からのケアがとても大切です。
紫外線ケアはもちろん大事ですが、シミには体の中からのケアと生活養生が不可欠です。
中医学でみるシミの4つのタイプとその対策は
【1】 ストレスからの血流障害
ストレスの影響を受けると気血の流れが悪くなりシミの素が出来上がります。
イライラ・胸やわき腹の張り・のぼせ・不眠などを伴う方はリラックスして十分に睡眠をとることが大切です。
【2】 ホルモンバランスの乱れ
生理不順や腰痛などを伴うことがあります。
生理の周期や経血の質などを正常にしておきましょう。
【3】 胃腸が弱り老廃物ができる
胃腸に負担がかかると全身を巡るはずの栄養が逆に不要な液体(湿)となって体内に滞ります。
泥のような色をしたシミが鼻の周りに現れます。
暴飲暴食を止め規則正しい食生活を心掛けましょう。
【4】 冷えタイプ
冷房や薄着で冷えてしまう場合と身体を温めるエネルギー不足で冷える場合があります。
冷えて血の巡りが悪くなるとシミができます。
生理痛を伴うこともあります。
冷飲食や冷えるファッションは控えましょう。
中医学漢方ではこれらのタイプ別に漢方薬・生活食事の養生法があります。
9月23日(土・祝)の「漢方と薬膳サロン」では「お肌のアンチエイジング」をテーマにシミ・シワ・たるみ・赤ら顔と五臓の関係と対策のお話しをします。
塩沢公民館1時から参加費3000円 ご予約はときのや薬局まで
夏の不眠は「心」のオーバーヒートをクールダウンして快眠に
猛暑が続く今年の夏は、寝苦しい・寝汗でびっしょり・眠りが浅い・夢ばかり見ているなど睡眠の問題が起こりやすいですね。
睡眠の質が悪いと体力も落ち、夏バテの原因になることもあります。
夏だけ限定の睡眠障害は暑さのせい???だけではありません。
たとえクーラーや扇風機を使って涼しい環境を整えても、やっぱり眠れないのです。
これには季節と自律神経の関連があるからです。
夏は「興奮の季節」。
日照時間が長い・高気圧で晴れの日が続く・気温が高い、この3拍子がそろうと人間はテンションが上がります。
夏はなぜかワクワク、興奮しやすくなるものです。イベントも多く催されます。
中医学の世界では夏は「心」に負担がかかる季節だと考えています。
「心」とは心臓の事だけを指すのではなく、「大脳」の働き、精神状態も含みます。
意識がはっきりしているとか、冷静に集中して考えるとか、ぐっすり眠るとか、いわゆる「こころ」の状態を含みます。
「心」は身体の上部にあって暑く熱量を持って常にエネルギッシュに拍動しています。
太陽のような陽気の盛んな臓器です。
暑い夏には「心」はオーバーヒートを起こしやすくなります。
こうなると落ち着いてものを考えたり、夜にぐっすり眠ったりしにくくなります。口内炎もできやすくなります。
夏に「心」がオーバーヒートしないように、激辛のもの・脂っこいもの・甘いもの・アルコールなどは体内で余分の熱や興奮を起こしますのでほどほどに。
また、眠る前にはスマホやパソコンのライトが脳を興奮させると言われています。
「心」が落ち着くためには「苦い味と清熱」のものを、例えばゴーヤやセロリ・緑茶・ハスの実・緑豆などがおすすめです。
夏の睡眠対策は「心」を適度にクールダウンすることです。
快適な睡眠をとって夏を元気に過ごしましょう。
「漢方と薬膳サロン」秋の会は9月23日(土・祝日)塩沢公民館13時~
テーマは「中医学美容」です。くすみ・しわ・シミ・たるみは身体の中から改善策があります。お申し込みはときのや薬局まで。
その不調「湿気のせい」かも?
中医学では人間は気象の影響を受けて自然とともに暮らしていると考えます。
日本の夏は湿度が高いため、体の中にも湿気が溜まります。
湿気が上手に発散されないと、倦怠感・食欲不振・下痢などの胃腸症状や皮膚トラブルを起こします。
分泌物が多くジュクジュクするなどアトピーさんにとってはつらい時期ですね。
曇りや雨の日や扇風機の風やクーラーの冷気に当たったときに湿+風+寒の邪気で血の巡りが悪くなり代謝障害が起きて関節の痛みを発症することも。
浮腫みや眩暈、体が重だるい、水っぽいおりものが多い、いつも眠い、舌の表面に苔がべったりついているなどは「湿邪」が入り込んだお知らせです。
湿邪は気候からの「外湿」と、身体の中で自分が作ってしまう「内湿」があります。
天候からの影響ばかりではなく日々の生活習慣も大切で、食べすぎ飲みすぎから不要な水分がゴミとなって身体に溜まり体調不良の元(内湿)を作ります。
湿邪と関係が深い臓器は「胃腸」。
体の湿気を溜めずに、飛ばすには「胃腸を丈夫にし、胃腸に負担をかけないこと」が大切。
湿邪を溜める食べ物は、冷たいもの・砂糖・油脂でこってりしたもの・水分の摂りすぎです。
これらは美味しいけれど胃腸に負担がかかり水分代謝異常を起こしやすいものです。
水分の補給の仕方は一気にグビグビではなくこまめにチョビチョビです。
浮腫んでいるのに水を飲め飲めとやっては逆効果。
体に湿気を溜めないために軽い運動で気持ちの良い汗をかきましょう。
冷房で冷えたときは湯船にゆっくりつかり体の芯から温まり、代謝を良くしましょう。
緑豆・スイカ・冬瓜・ハトムギ・シソの葉・梅干・五行草などが不要の水分を排泄してくれるのでこの時期おすすめ食材です。
湿を飛ばして夏バテせずにカラット爽快に過ごしましょう。
妊活のための中医学“妊娠力を高める体つくり”
現代では35歳以上の高齢出産が当たり前のものになっています。
30代になると妊娠力は徐々に低下していきますが、妊娠しやすいはずの20代でも不規則な生活や疲労、ストレスなどによってホルモンのバランスが乱れ、排卵しにくくなることもあります。
タイミング法・人工授精・体外受精・顕微授精といった不妊治療を選択する人も多くなりました。
こうした不妊治療をするときにも、中医学漢方の知恵で妊娠しやすい体を作ることを同時に始めると妊娠率が上がります。
中医学はもともと体に備わっている力を取り戻し、さらに高めていこうというものですから、卵巣を元気にし、妊娠しやすい体に整えることができます。
また、基礎体温表を見ながら一人一人の体質や年代に合わせてきめ細かく対応するのも中医学の特徴です。
妊活をサポートするときのポイントは
「養血(血を養い充実させること)」
「活血(血流を良くして卵巣や子宮を整えること)」
「補腎(生殖機能を主る腎を補いホルモンバランスを整える)」です。
この「養血・活血・補腎」の漢方薬を「月経期・卵胞期・排卵期・黄体期」に分けてその期に必要な力を漢方薬と生活養生で応援する「周期調整法」というやり方で妊娠しやすい体作りを応援します。
特に、体に潤いを与え、体内の余分な熱を冷ます「腎陰」と身体を温め働きを高める「腎陽」の二つのバランスを重視しています。
質の良い卵を作ることと温かいフワフワベッドの子宮内膜を作ることも血と腎の力です。
女性も男性も将来赤ちゃんを望むなら独身時代から食事、睡眠、生活養生で妊娠しやすい体を作っておきましょう。
子宮筋腫・内膜症・多嚢胞性卵巣・卵巣嚢腫・高プロラクチン・甲状腺の病気を持っている方は西洋医学の検査や治療と同時進行で漢方治療をお勧めします。
生理痛は独身時代に鎮痛薬を使わなくてよい状態にまで漢方薬で治しておきましょう。
「漢方と薬膳サロン」6月18日13時 塩沢公民館 テーマは「便秘を体質から改善」参加費3000円 お申し込みはときのや薬局まで025-772-2467
「便秘」は体質別・年齢別の対策でスッキリ快便体質に!
中医学には「欲得長生、腸中常清」という言葉があります。
「長生きしたかったら腸の中をいつもきれいにしていましょう」という意味です。
健康な排便は「1日1~2便」。
毎日出ない、硬くて出にくい、コロコロ便、スムーズに排便できず時間がかかる、スッキリ出ないといった状態は「便秘」と考えます。
放っておくと腸内環境も悪くなり身体と心に様々な悪影響が出てきます。
中医学では、便秘の改善はただ「出すだけ」ではなくその原因となっている体内の不調を整え、根本から便秘にならない体質を作ることを大切にします。
便秘の原因となる主なタイプのうち「イライラや熱がこもる実熱」「女性に多い血不足」では体内の潤いが不足して便が乾いて硬くなり出にくくなります。
「冷え性の陽気不足」「ストレスが多い気滞」が起きると便を押し出す働きが弱く便秘につながります。
体質から整えていけば、便秘薬に頼らなくてもスッキリ快便体質を目指せます。
もう一つ年代別の対策もポイントです。
幼年期:幼いころから、排便に良い習慣をつけましょう。早寝早起きと「野菜スープ」がおすすめです。
児童期:学校で我慢しないように毎朝の排便習慣をつけましょう。「葉野菜たっぷり」で。
思春期:体内の熱が旺盛になりやすい時期。こってり系やスナック菓子などは控えめに。便秘が治るときれいなお肌に。
青年期~壮年期:人生の中で変化が多くストレスを感じやすい時期。過剰なストレスを解消して「気滞タイプ」「実熱タイプ」の便秘対策を。
更年期:体内の潤い不足による便秘に注意して「血不足タイプ」の養生を。
老年期:衰えがちな胃腸の機能を高めて、体を温める「陽気不足タイプ」の対策を。
第二子不妊も漢方で 切迫を乗り越え無事出産
第一子は漢方薬を飲んでAIH(人工授精)で無事に生まれました。
そろそろ第二子をと思いましたがなかなか授かりません。
また、漢方薬を飲んでみました。
34歳になっています。
痩せ気味でBMI16、体力もないので妊活中も妊娠中も胃腸の働きを高めて
栄養をしっかり吸収できる体つくりに注意しました。
体温も高めなので
「腎陰の力」を補うことを中心に服用していただきました。
切迫気味でお仕事を休まれ、自宅安静の状態で
無事に超安産で出産後も元気いっぱいです。
産後も無理をせずに回復を助ける漢方を飲んでいただいています。
案ずるより産むが易しってこのことですね。
胃腸が弱めで痩せている方は内臓を引き上げる力が弱いですので
妊娠後もフォローをさせていただきます。
春の憂鬱・イライラにはわけがある
雪国の長い冬が終わり、春が近づき温かくなってくると、ワクワクし新しいことでも始めてみようかなと思う方が多くなりますね。
でも一方で残念なことに春になると憂鬱・気分がのらない・周りのテンションについていけない・不眠やイライラ・やる気が出ないなどの心の不調を訴える方も出てきます。
これにはわけがあります。
私たちは季節の変化に適応しながら生きています。
① 中医学的に言うと春という季節の外界の特徴は「陽気が盛んになる」です。
外界の陽気の勢いが急に強くなると健康な人では体内の「陽」も元気づいてポカポカする、活動的になる、ワクワクするというように冬から春へ「静」から「動」へと変化します。
一方で、外界の「陽」が盛んになるペースに体の中の「陽」がついて行けない人がいます。
外界と身体が連動できないと晴れ晴れとした気分になれず「春の憂鬱」が生じます。
② 春の身体側の特徴は、「肝に不調が現れやすい」です。
「肝」は「気」の流れを調節し、「血」を貯蔵・浄化し、「感情や自律神経のバランスを整える」という働きを持ちます。
雪囲いが外された木々のように肝は伸び伸びすることを好みます。
この「肝」の働きがうまくいかない状態を「気」の停滞=「気滞」と言います。
ストレスを一心に受け止めるのは「肝」です。「肝」に負担がかかると「ウツウツ・イライラ」、胸やお腹が張る、喉のつかえ感、月経不順、浮腫みなども現れます。
こんな時は香りの強い野菜を取り入れましょう。
三つ葉・紫蘇・セロリ・バジル・柑橘類など。アロマや入浴で緊張感やストレスを発散するのも春の養生です。
「気滞」を解消する漢方薬も出番の多い季節です。
花粉症の予防は今から 漢方で「衛気を強化」
春一番が吹くころから「花粉症」の症状でつらい思いをする方が増えてきます。
今年の杉花粉の量は多いそうです。
でも症状のつらさは花粉の量だけで決まるわけではありません。
昔から春に杉林の中で遊んでいても、杉鉄砲で遊んでも花粉症にならなかった人もいます。
中医学の世界では花粉症の症状が強く現れる人は「衛気(えき)不足」の体質になっていると考えます。
現代人は衛気不足になりやすい生活と食事に囲まれています。
睡眠不足・冷たいものの摂りすぎ・ストレス・冷暖房完備・砂糖やオメガ6系の油の摂りすぎなどです。
衛気とは体の表面や粘膜を守って免疫力を高めてくれるバリアのようなもの。
免疫力が弱まると感染症になりやすく、免疫力が暴走すると花粉症やアトピーなどのアレルギーにつながります。
衛気不足は全身に現れるのでサインが出てきます。
疲れやすい、息切れ、冷え性、風邪ひきやすい、汗かき、食欲不振、舌に歯の跡がつくなど、日ごろからこうした不調を感じている方は特に体質改善に取り組みましょう。
衛気は胃腸の働きで作られ、肺の働きで全身に張り巡らせます。
胃腸に負担をかけずに、肺に潤いを与える食材を取りましょう。
豆・山芋・かぼちゃ・クコの実・なつめ・鶏肉・豚肉などで胃腸の機能を高め
百合根・大根・白きくらげなどで肺を潤します。
11時までに眠れると衛気は良く作られます。
朝の深呼吸や体を冷やさない生活習慣も大切です。
花粉症の症状が出て来たらその症状は「寒タイプ(透明の鼻水)」「熱タイプ(目のかゆみ)」「湿タイプ(ダラダラの鼻水・浮腫み)」どれかを見極めて漢方薬で対処しましょう。
今年の花粉症、今からの体質改善で楽に過ごしてみませんか?
「脳梗塞」を予防する漢方ケア
「脳梗塞」は脳の血管が詰まり、血流が止まって酸素や栄養が送られなくなることで、その部位の細胞が壊死してしまう病気です。
動脈硬化によって脳の血管が狭くなりそこに血栓ができて塞がれてしまうケースと、不整脈によって心臓にできた小さな血栓が血流に乗って運ばれて脳に詰まってしまうケースがあります。
脳梗塞はある日突然起こる病気。だからこそ日頃の積極的なケアで「脳梗塞をおこしにくい体質」を作ることが大切です。
血管は加齢とともに弾力を失って硬くなり、食生活の乱れや運動不足、喫煙などが重なると血液もドロドロ状態に。
中医学ではこのように血管力が落ちて血流が悪化した状態を「瘀血(おけつ)」と考えます。
健康診断などで高血糖・高脂血症・高血圧などの気になる数値があれば放置は禁物です。
食生活や運動習慣などで瘀血を改善することを基本のケアとして、その他のプラスケアを合わせて脳梗塞を起こしにくい身体づくりを目指しましょう。
プラスケアは3タイプ
1 太り気味の人は「痰湿」(余分な水分)を取り除く:高脂血症、肥満などの体質を「痰湿」と言います。
最大の原因は食事の不摂生。
胃腸に負担がかかって水分代謝が落ちると痰湿がたまり、ドロドロ血の原因に。
2 イライラしがちな人は「気」の流れをスムーズに:過剰なストレスで気の流れが停滞すると血流も悪くなります。
3 虚弱体質の人は「気・血」を養い「腎」を強く:高齢者、慢性疾患のある人、胃腸虚弱な人は元気の元(気血)が足りなくなり、血の流れが停滞してしまいます。
それぞれタイプ別に「食の養生」「生活養生」「漢方養生」があります。
自分のタイプを知って毎日の予防に役立て、自分自身はもちろん家族の健康を守りましょう。
身体の老廃物のお掃除「デトックス」
年末年始を楽しく過ごした胃腸さん。
お疲れモードになっていませんか?
中医学漢方では病気の成り立ちをこんな風に考えています。
食べたり、飲んだりしたものは胃腸に入り栄養分として吸収され、体のあちこちに届けられます。
一方、吸収されなかったものは「便・尿・汗」で排泄されます。
食べ物を「吸収と排泄」に分別することがうまくいっていると健康です。
ところが飲食物の量と質が自分の胃腸の分別力を上回ってしまう(食べすぎ)、あるいはストレスや睡眠不足で、この分別力が落ちてしまうと「老廃物」として体に溜まってしまいます。
老廃物(ゴミ)はどこかから出ていこうと虎視眈々と狙っています。
この老廃物は食べ物由来ですからジメジメ湿気を帯びていますし、長く体にとどまると熱をもってきます。
ちょうどそんなときに皮膚や粘膜に弱っているところがあると「そうだ!ちょっと失礼!ここから出させて!」と噴き出してきます。
アトピー・ニキビ・乾癬・掌蹠膿疱症・脂漏性湿疹・口内炎・口角炎・歯肉炎・膣炎・バルトリン腺炎・目ヤニ・蓄膿症・後鼻漏・鼻水・めまい・痰・口臭体臭などあらゆる出口を使います。
血液中に「血糖・脂質・尿酸」としてあふれることもあります。
「妊娠・出産・授乳」という最強のデトックスルートを使わないで済むように妊娠前に毒や老廃物をデトックスしておきましょう。
漢方相談に時間がかかるのは「どうしてそうなった」と「どうすれば治る」を根本から一緒に探って、身体に溜まった老廃物を作らせない食生活、老廃物をデトックスする生活をご紹介するためです。
春の「漢方と薬膳サロン」では「デトックス」をテーマに外から入ってくる「毒」と自分自身で作ってしまう「老廃物」のお話しをいたします。
3月12日1時から塩沢公民館。参加費3000円。お申し込みはときのや薬局まで。