子供の日に寄せて「正しい睡眠が脳を育てる」

睡眠は身体の成長にはもちろんのこと、子供にとっては脳神経の発達のためにも不可欠です。

脳の発達の仕方には順番があると言われています。

❶0~5歳までは生きるための身体の脳(食べる・起きる・寝る・呼吸する・けがをしないための反射・生きるために最低限必要な機能)

❷1~18歳での学習の脳(言語や知識や細かい運動の脳)

❸10歳からは心の脳(思考や感情をコントロール)。

この発達の順番とバランスを無視してはいけません。

土台となり基礎となる❶の出来不出来が将来の子供の心の在り方にも影響してきます。

その「身体の脳」を作るのに最重要なのが「正しい睡眠」です。

睡眠にはノンレム睡眠とレム睡眠があります。

ノンレム睡眠は脳の深いところが休んでいる状態で、脳と身体の疲労回復。

成長ホルモンが大量に分泌されて骨や筋肉を作り身長を伸ばします。

また免疫力を高め丈夫な体を作ります。

レム睡眠中は脳活動が活発で記憶の整理と固定が行われています。

その日に学んだ知識や経験が整理され、脳に記憶されていきます。

ノンレム睡眠とレム睡眠を4~5回繰り返す睡眠時間が「十分な睡眠時間」です。

小学生の理想の睡眠時間は10時間、18歳でも8時間15分です。

丈夫な身体と頭脳を作るには十分な睡眠時間と睡眠環境が必要です。

子供を育てづらいと感じたら8時就寝6時起床の習慣を作ってみましょう。

スケジュールを逆算して太陽が沈んだら眠る準備にかかりましょう。

今まで「食べること」を重点に養生の説明をしてきましたが、それよりも重要なことが「眠ること」だと気づきました。

お子様の心と身体と脳の健康を祈って!

春のお悩み対策

春は卒業・入学・新生活・年度替わり等イベントが多いです。

身体への負担やストレスも多くなります。

そんな中、春独特のご相談が増えています。

❶眠い・だるい

気圧や気温など季節や環境の変化に、ついていくだけでもエネルギーが必要です。

ホルモン・陰陽・自律神経のバランスが冬から春にかけて変化していきます。

春は眠ることでエネルギーを充足させます。

起床時間は変えずに就寝時間を早めましょう。

❷眩暈・立ち眩み・フワフワする

体温を逃がさないように血管を収縮して体表の血流を減らしていた冬。

ぽかぽか陽気で温かくなると血管が広がり血圧が下がります。

血流量がたっぷりある人は何の問題も出ませんが、もともと血虚の人は血管が広がることで流れがユルユルになり、血流に勢いがなくなると、めまいや立ち眩みフワフワ感が出てきます。

❸イライラ・クヨクヨしやすい

漢方の世界では「春は肝」と言います。

肝は自律神経の調節・メンタル情緒の安定・気血水を巡らせるという働きがあります。

寝不足などで肝に負担がかかるとクヨクヨ・イライラ・落ち込んだり、瞬間湯沸かし器のようにカーットなったり上がり下がりが激しくなります。

❹花粉症やアトピーが悪化しやすい

冬に溜め込んだ老廃物を排出したいのが春です。

花粉症に乗じて鼻から余分の水分を追い出そうとします。

引き金は花粉だったり紫外線、汗だったりしますが、これをチャンスに老廃物の追い出しにかかろうと皮膚や粘膜に炎症を起こします。

老廃物の溜まらない食事にし、胃腸を整え、間食・夜食を控えて胃を休ませてあげましょう。

あまりクヨクヨ考えず、季節のせいもあるとのんびり構え、休養を第一に。

X(旧Twitter)で健康情報を呟いています。@tokinoya_kanpou

花粉症対策は今!! 胃腸から

今や国民病と言われるほど40%の国民が罹っているという花粉症。

肺(鼻や皮膚も含めて肺)や胃腸が弱っている人は外敵から身を守る衛気(粘膜のバリア機能)が不足しがちで花粉症の症状が出やすく悪化しやすくなります。

衛気(バリア機能)を強めるには、腸内環境を整え免疫システムを正常にすることが大切です。

中医学では、衛気は呼吸と飲食によって作られると考えられています。

胃腸を守るにはまず食事に気をつけましょう。

加熱した葉野菜や海藻をたっぷり入れたさっぱり味の食事(清淡の食事)を食べましょう。

気を付けてほしいのは生もの・体温より冷たい物・味の濃い物・甘い物・脂っぽいものの摂り過ぎです。

自分の胃腸の処理能力を超えて飲食物を取り入れると処理が間に合わず体内に老廃物として溜まります。

それが通常の排泄ルート(便・尿・汗・呼吸)で出しきれないと、どこからでもいいから出しちゃえルートを使って鼻からデトックスしてしまおうと鼻水に悩まされます。

身体に鼻水の材料(老廃物)を溜めない食事にすると少しでも楽に過ごせるかもしれません。

身体のデトックスの一番は排便です。

春は冬の間に溜め込んだものを排出するデトックス食材が出回ります。

タラの芽・フキノトウ・タケノコ・セリ・フキ・菜の花などです。

また、消化物を胃から腸に送り出して適切に排泄させる小松菜・大崎菜・大根・白菜もおすすめです。

そして清淡の食事(薄味で胃腸に負担をかけない食事)✙腹八分目✙よく噛む✙美味しく楽しく食事することも胃腸を守ることに繋がります。

花粉症予防が胃腸から始まるということも少しだけ意識してみましょう。

痛みの要因は? タイプ別に対策を

寒くなりますと首・肩・背中・腰・膝・昔の怪我の後、など・・・「痛み」のご相談が増えてきます。

痛みを抱える毎日はかなりのストレスになります。

「痛みの原因は経絡の滞り」経絡とはツボと内臓と器官をつないでいる目に見えない気と血の通り道のこと。

中医学では、経絡が通じずに滞ると痺れやこわばり痛みが現れると考えられています。

では何が滞りを生むのかを分類してみましょう。

★外的要因・・・風・寒・湿など、気候や風土の影響(外邪)に身体が順応できないと経絡に詰まりが生じ、気血が巡らなくなります。

『不通則痛(通じざればすなわち痛む)』と言います。

冬の北風・寒さ・雪国の湿気・梅雨時の雨・夏の冷房・扇風機の風などの侵入が原因の一つとなります。

雨や雪の日は痛みが強くなるというのがこの理由です。

 

★内的要因・・・体質的に「疲れやすい(気虚)」「冷えやすい(陽虚)」「血液や潤いが少ない(血虚・陰虚)」「老化によるもの(腎虚)」などの健康を維持するだけの材料が足りない。『不栄則痛(栄えざればすなわち痛む)』と言います。

 

★外邪や生活習慣などの要因によって体内に溜まり、痛みの原因となるものが「痰飲(ベトベトした水分の滞り)」「気滞(イライラしたストレスによる気の停滞)「瘀血(ドロドロした血行不良)」です。

 

痛みの原因となる外邪は追い出し、体内に足りない材料があれば補い、巡らないものがあったら巡らせ、経絡を通す漢方の組み合わせで痛みの起きない身体を目指します。

西洋医学の治療と同時に「経絡を通す・補う」ことで少しでも痛みから解放されることを祈っています。

 

「楽しく食べて美しく」 胃腸は健康の要

「あなたの身体はあなたが食べて消化吸収したものでできています」

食事は人生の楽しみの一つであり、コミュニケーションでもあります。

あまり神経質にならずに美味しく楽しく食べることが何より大切です。

これからの時期は季節のイベント食やご馳走三昧で胃腸に負担のかかることが多くなります。

食べたものを吸収して、臓腑や器官を動かすエネルギーにするのは胃腸です。

胃腸機能が万全でなければ、せっかく身体に取り入れた食事を活かしきることができません。

どれだけ栄養を摂っても、食事のバランスに気を配っても、食べ物や水分を吸収して身体の隅々の細胞に送り届ける機能が十分でなければエネルギー不足となり、身体に不調が起きることになります。

身体を樹に例えると根っこに相当するのが胃腸です。

この大切な消化吸収系を中医学では「脾」という臓が担っていると考えます。(解剖学の脾臓とは異なります)

日本人は胃腸が弱い民族と言われています。

これは湿気が多い土地柄・生ものや冷たいものを食べる習慣・ストレス過多などが関係しています。

「脾」の働きと特徴は、消化吸収運搬のほかにも「血」が漏れ出ないようにする・臓腑を上に引き上げる力を持つ・口や唇と関係が深い・湿気に弱いなどがあります。

「脾」が弱ると疲れやすい・軟便下痢又は便秘・やる気が出ない・朝起きられない・胃や子宮等臓器の下垂・食後に眠くなる・青あざや出血が止まりにくいなどの症状が現れます。

舌の輪郭に歯型が付く・舌の正面にベトベト白い苔が付く・舌全体が大きく腫れぼったいなどで舌がお知らせを出してくれます。

中医学の知恵を用いて「脾」を丈夫にすることで、もっと健康的にお腹がすき、食事が美味しくなり元気に美しく快適に日々の暮らしを楽しめるようになります。

「おなかの便秘」と「出口の便秘」あなたのはどっち?

ときのや薬局は、魚沼の女性の「生理痛と便秘を減らそう!」というコンセプトで漢方相談を始めました。

便秘のご相談ではなくても、いろいろ体調をお伺いしていくうちに、なんと便秘の方が多いかと驚きます。

そして間違った治療をしていて、どんどんひどくなってしまう方も見受けられます。

便秘は便が停滞している場所によって治療法が違います。

おなかに便が停滞する「大腸性便秘(おなかの便秘)」と出口に便が停滞する「直腸性便秘(出口の便秘)」に分けて考えましょう。

「おなかの便秘」は通常認識されている便秘です。

腸の蠕動運動を促し、腸内細菌を整え、便の水分量を適切にし、押し出す力を高めれば快便に向かいます。

ところが「出口の便秘」は便秘の薬を飲んでも出口までお薬の効果が届きません。

肛門の上は、いつもぺったんこのはずです。

そこに便が下りてくるとその場所は膨らみます。

その膨らんだ圧力が便意となって脳にお知らせが行きます。

そのタイミングで排便しないと便意は消えてしまい、便は出口にとどまります。水分だけがどんどん吸収されて石の様に硬くなります。

それが排出されないと、おなかの便も停滞してしまいます。

出口の便秘には専門の坐薬を使って、まず便を柔らかくして排出します。

その後におなかの中に溜まった便をスムーズに排出できるようにします。

病院の検査で重大な病気が隠されていないことが確認出来たら、どこに溜まっている便秘なのかを見極めて対処しましょう。

出口の便秘の場合は排便時、最初の部分だけが硬めです。

「下剤を飲めば出る」というのではなく「下剤が無くても自分の力で出せる」というところまでできて便秘が治ったと言います。

便意を我慢する生活をしている人は生活習慣から見直してみましょう。

秋の免疫力アップは「肺」を整えることから

中医学では秋は「肺」が弱りやすいと言われています。

中医学の肺は呼吸器全般と鼻と皮膚も含みます。

大腸とも関連があります。

外気は乾燥してきますので「肺」も乾燥し空咳が出たり、皮膚もカサカサして痒くなったり、大腸も乾燥して便秘しやすくなったりします。

気道には第一次防衛隊として気道内を覆う粘液と線毛があります。

気道に侵入してきた異物は粘液で捕らえられ、線毛の動きによって口元へ運搬され、咳や痰とともに排除されます。

秋の乾燥した空気で気道内の粘液は減り、線毛の動きも鈍ります。

そのため、風邪やインフルエンザやコロナウィルスにかかりやすくなることの一因となります。

空咳だけでなく痰の排出も困難になります。

秋には自然の恵みとして「身体を潤してくれる食べ物」が出回ります。

梨・レンコン・銀杏・ゆり根・ブドウ・大根・里芋・茸・白きくらげ・白菜等「白い物」と覚えておくと便利です。

また、免疫力を高めるためのポイントは

❶自律神経を整える・・早寝早起き朝日を浴びて体内時計をリセットしましょう

❷冷え対策・・体温が36.5度以上で免疫細胞が活発に働きます。

❸腸の働きを整える・・体全体の免疫機能を支えているのは免疫細胞の70%が集まっている「腸内環境」です。お通じを良くしておきましょう。

❹ストレス対策を・・長時間のストレスが免疫の働きを弱めます。笑うことで免疫力が高まることが科学的に証明されています。

❺血流を良くすることが土台です・・血液たっぷり、血液サラサラが免疫アップの要です。

10/20~11/6は秋の土用。土用の期間は「睡眠を充分に+胃腸を守る」養生で冬を元気に過ごせるようお身体の準備をしましょう。

コロナ感染後の倦怠感の中医学的考え方

コロナ感染症状の発熱やのどの痛みが病院の治療で治った後も倦怠感が続く方が多いです。

自宅待機期間を終えて、仕事に復帰できますよと許可が出ても万全な体調というわけにはいきません。

倦怠感・息苦しさ・咳・味覚や嗅覚異常・脱毛・集中力低下などが残ることがあります。

感染症の倦怠感が単なる夏バテや慢性疲労と違う点は、まだ慢性炎症が消えていないというところです。

火事に例えていうと山火事は消し止めたけれど、まだあちこちに火種があるという状態。

薪ストーブの火は消えたけれど、灰の中にくすぶっている火があるという状態と同じです。

慢性炎症が続いているということです。

検査で陰性になっても注意が必要なことは

★免疫のバランスが崩れてサイトカインの暴走が続いている(熱毒)

★体力の消耗が激しい(気虚)

★微小血栓ができやすい(瘀血)状態だということです。これらを解消することが必要です。

感染後の回復期には

★体力を取り戻す(扶正)

★慢性熱毒炎症を消す(去邪)

★血栓症対策(活血)この3つの方法を併用して元気を取り戻します。

コロナ対策は予防・感染中・回復期でそれぞれ対応する漢方薬があります。

今の自分の身体の状況は舌が教えてくれています。

舌苔がびっしり付いていたら湿熱・

舌の表面や輪郭が真っ赤になっていたら熱毒・

舌の裏側の血管が紫色に腫れていたら血流障害(瘀血)のお知らせです。

後遺症が長引かないように体力回復と免疫のバランス異常と毛細血管の血栓対策をしましょう。

夜9時に眠るという養生も取り入れてみましょう。

夏から秋の皮膚病は「熱・湿・乾燥対策」

立秋を過ぎたとはいえ、まだまだ猛暑日が続いています。

夏の暑さで皮膚トラブルが爆発しませんでしたか?

夏の皮膚トラブルの原因は「暑さ・紫外線・汗・イベント食・湿気」です。

これからの秋の皮膚トラブルは「乾燥」が追加されます。

皮膚病のタイプと悪化要因によって漢方薬・外用薬・食養生が変わります。

❶過剰な「熱」タイプ 日焼けによる炎症・ニキビ・赤い・痒い・化膿・熱感のある皮膚病には、清熱解毒漢方を症状に打ち勝つ分量だけしっかり服用しましょう。

食べ物も熱をこもらせない、過剰な熱をさます食材(ゴーヤ・ナス・トマト・キュウリ等)を利用しましょう。

❷湿の停滞タイプ ジュクジュクした湿疹・あせも等。冷たい物の摂り過ぎで胃腸の働きが弱ると体内に「湿(余分な水分や老廃物)」が溜まってしまい、皮膚から出しちゃえルートを使ってジュクジュクしてきます。

溜まった湿を追い出す漢方薬や食材(ハトムギ・冬瓜・スイカ・緑豆等)を使います。

❸潤い不足、乾燥タイプ 夏の間にたくさん汗をかくと体内の潤いと気も消耗します。その結果、皮膚に充分な潤いやエネルギーが行きわたらず、お肌がカサカサしたり肌の免疫力が低下したりして感染症などをまねきやすくなります。

秋になって空気も乾燥してくると肌の皮むけやパサパサと粉が散り、乾燥性の痒みや炎症が現れます。

体内に潤いと気を養う漢方薬と潤い食材(白きくらげ・大根・れんこん・梨・枸杞の実・鶏の手羽等)を。

漢方治療はどのタイプでも「炎症に対抗できるだけの種類と適切な量」が必要です。

暑さに負けない生活のポイント

毎年、暑い日が続くたびに食欲不振、イライラ、体がだるいということは有りませんか。

今回は、夏を快適に元気に乗り切るため今からやっておきたい養生法をご紹介します!

中医学では季節と五臓の関係を重視します。夏に関連深い臓器は「心」。

心は心臓のポンプの働き(血液循環)と精神安定の働きをしています。

❶暑くなると体温調節のために汗をかきます。

多量の発汗は身体の水分と同時に「気=元気の素のエネルギー」も消耗します。

血液はドロドロ、血を押し出すパワー(気)もなくなり心に負担がかかります。

動悸や息切れだるさが現れます。

こんなときはこまめな水分補給で身体に潤いを与えましょう。

レモン・トマト・梅干しなどが潤す食材です。

❷血液の粘度が上がり血流が悪くなったときは玉ねぎ・ナス・シナモンなどの血流改善食材を。

❸暑さで食欲が落ちやすい時期ですが胃腸機能を改善させ、しっかり食事を摂り気を充実させましょう。

生ものや冷たいものを食べすぎず室温以上の温かいものをお勧めします。

冷たい水分の摂り過ぎは体内に「湿」を溜め、胃腸機能を弱め、夏バテの原因となります。余分な水分を排出させるためにハトムギ・緑豆・もやし・冬瓜などを。

❹身体に熱がこもり、発散できないと熱中症が心配です。

身体にこもった熱はイライラや不眠などの精神不安定の原因になります。

身体の熱をさます食材はキュウリ・ゴーヤ・トマト・ゆり根・蓮の実などです。

夏の過ごし方は人それぞれです。

暑い・クーラーでの冷え・ジメジメの環境など。

ご自分がどのタイプかを見極め自分に合った養生をして、元気に夏を乗りきりましょう。

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