ときのや薬局 健康コラム

健康コラム

2018/11/10

フレイル予防は中医学の「抗老防衰」対策で

先回は要介護や寝たきりの前段状態「フレイル」のお話でした。

フレイルの3つの側面。❶筋肉量が低下し動けなくなる肉体的フレイル

❷気力の低下による精神的フレイル

❸引きこもりや社会的な孤立といった社会的フレイル

この3つの側面が総合的に衰弱すると寝たきりなど様々なリスクが高まります。

フレイルに早く気付いて健康な状態に戻れるようにしましょう。

西洋医学や地域の取り組みもフレイル対策として重要です。

筋肉の原料となる栄養の補給・骨や関節の治療やリハビリ・運動習慣・活気に満ちた生活・ボランティア参加や高齢者の集会サロン・社会とのつながりなどの活動が盛んに行われています。

一方、中医学の世界でのフレイル対策は「健脾」「補腎」「活血」という方法です。

「健脾」とは胃腸を丈夫にして、食べた物の消化吸収率を上げ、栄養が身になる(筋肉や骨など)力をつけることです。

丈夫な胃腸があって初めてタンパク質が血となり肉となるのです。

「補腎」とはアンチエイジングの事。

「腎」とは単に腎臓の事ではなくホルモン系・カルシウム代謝・自律神経など幅広い機能を指し、生命力、免疫力、自然治癒力を支えています。

「腎」が弱ると足腰がだるい、疲れやすい、骨や歯がもろくなる、健忘、聴力低下などの症状が現れます。

「腎は骨を主り、髄を生じ、脳に通じる」という言葉で表されます。

「活血」とは血流を良くすること。

血液の粘度が高くなり、流れが悪くなった状態を改善し、きれいな血液がイキイキと全身を流れるようにすることです。

若い頃からの生活習慣、食養生、メタボ予防・ロコモ予防が将来のフレイル予防にも繋がります。

体と心と社会性をいつまでも保ち続けましょう。

 

「漢方と薬膳サロン」12月8日(土)1時~3時半 塩沢公民館にて 参加費3000円

「初潮から更年期までのホルモンと陰陽のバランス・冷え性からほてりへの変化」