春の新しい環境やコロナ禍の外出自粛、先行きの不安などで身体も心も疲れてしまう・・・という方が増えてきました。
疲れの元になる病気が無いものと仮定して、中医学での疲労回復の方法を2つご紹介します。
❶足りないものを補う方法(補法)
滋養強壮効果のあるものを食べたり、飲んだり、気血を補う漢方を使う。
眠って、身体を休めて体力回復を待つ。
ところがこの方法では回復しない疲れがあります。
そのときは❷を参考に。
❷邪魔者を追い出す。巡りを良くする方法(瀉法)
身体に代謝できない老廃物がたまって気血水の流れを邪魔しているための疲れです。
その老廃物の正体は「気滞」=ストレスで気が停滞、身体に膨満感。
「瘀血」=血流の悪化
「痰湿」=身体が処理できない余分の水分
「湿熱」=「湿」が熱を持ち皮膚炎などの炎症を起こす元。
ですからこのタイプの疲労回復の方法は「気血水」の巡りを良くし、ヘドロのようにたまっている老廃物を身体から追い出すことです。デトックス漢方を使います。
❶の方はもともとの体力がないのでお風呂に入ると疲れます。
休みの日に遊びに出かけると疲れます。
体力を消耗すると疲れます。
疲れすぎて眠れないことがあります。
❷の方はお風呂に入るとスッキリ爽やか疲れが取れます。
休日はレクリエーションで気分転換して疲れが取れます。
気血水の流れが良くなったからです。
あなたのお疲れは「補う系が合いますか?」「追い出す系が合いますか?」
これを見極めるのは「舌を診る」ことです。
「舌に苔がある・舌の色が紫・舌の輪郭が真っ赤」の時は追い出したい何かをため込んでいます。
「補う系」と「追い出す系」の漢方薬をバランス良く併用することもあります。