ときのや薬局 健康コラム

健康コラム

2021/03/03

「尿やいろいろなものの漏れ」中医学の考え方

咳やくしゃみをしたとき、重い荷物を持った瞬間、力をいれたとき、ジャンプしたときに思わず尿が出てしまった・・・・という経験はありませんか?

こうした尿漏れの症状は年齢とともに増え、特に40代以降は多くの人が悩みを抱えていると言われています。

腹圧をかけると尿が漏れる「腹圧性尿失禁」や急に訪れる強い尿意の「切迫性尿失禁」で、外出やスポーツを楽しめなくなったりすることも。

その原因は加齢や尿道括約筋の低下、妊娠・出産による骨盤底のゆるみ、男性の場合は前立腺の肥大など様々です。

何か病気が隠されていないかの検査をして異常がなかった場合は、中医学ではこうした尿のトラブルは「腎」と「膀胱」の衰えと考えます。

「腎」は人の成長・生殖・老化にかかわるほか、尿を生成する機能を持ち「膀胱」は尿を貯めて排泄する機能を持ちます。

「腎」と「膀胱」は排尿活動を円滑にするように協力し合っており、その機能が衰えてしまうために尿漏れが起きてしまいます。

また、ストレスによる「肝」の不調、膀胱の冷えなども頻尿や尿漏れを引き起こす要因となります。

骨盤底筋運動と合わせて「腎」を強くする補腎薬を使います。

また、「漏れ」は、体内の必要な水分や血液などが漏れ出てしまうのを防ぐ「固摂機能」の低下が関係していると判断します。

そこで中医学では「漏れ」を治療するときに「収斂固渋(引き締める)」作用の生薬を用います。

尿漏れのほかにも便・夜間頻尿・水っぽいオリモノ・不正出血・汗漏れ・唾液・涙の漏れ・過多月経など身体にとどまっているべきものが出て行ってしまうお悩みにも固摂機能を高めるものと体質を補う漢方薬との組み合わせでお悩みを軽くする方法があります。