ときのや薬局 健康コラム

健康コラム

2022/04/07

漢方にも「標治」(対症療法)と「本治」(原因療法)があります

漢方薬はすべて「長く飲んで体質改善や根本治療をするもの」と思っている方が多いのですが、そうではありません。

漢方にも今困っている症状を素早く抑えるための対症療法の「標治」と、じっくり取り組み原因から治していく体質改善の「本治」があります。

辛い症状が出ている時は早く症状を楽にしないと生活の質(QOL)を保てないのでとりあえず標治の漢方を使って症状を軽減します。

例えばアトピーの「清熱解毒薬」、生理痛や頭痛の「痛み止め漢方」、花粉症の「鼻水止め漢方」、浮腫みをとるための「利水の漢方」、「便秘を解消する漢方薬」等、つらい時は症状を楽にする標治が必要です。

ところが、標治の漢方薬で生活が楽になるからと「こうなったら、その時だけとりあえず○○漢方を飲めばよいや!」と思うのはせっかくの身体からのSOSを見逃してしまい本当の解決になりません。

アトピーの本治は炎症が治まってから綺麗で丈夫な皮膚を作ることです。

生理痛の本治は生理痛の起こらない身体を作ること。

花粉症が治るということは花粉に過剰に反応しないようにアレルギー体質の改善をすることです。

浮腫みの本治は、余分な水分を取り除いた後、原因となる体質が「胃腸の虚弱」か、「腎」の弱りか、「血行不良」かを見極めて浮腫まない身体を作っていくことです。

便秘症の本治は便秘薬に頼らなくても毎日の排便がスムーズになることです。

「標治」だけでなく「本治」をすることで、体質が強くなります。

「本治」は将来起きるかもしれない病気の発生を予防することにもつながります。

病気によっては「標治の後で本治」の順番で、あるいは「標治と本治を同時進行」で行うこともあります。

「本治」を行うときは食養生や生活習慣の改善もご紹介しています。