ときのや薬局 健康コラム

健康コラム

2022/11/05

季節と内臓と感情の関係~~秋に、もの悲しくなる訳~~

季節の変化とともに気分も変わります。

春~夏は陽気が強くなりますのでワクワク・新しいことをしたくなります。

日本では新学期や新年度が4月というのも頷けます。

秋~冬は蓄える時期なので活動レベルが下がり、少しもの悲しい気分になったりします。

中医学では七情と季節と臓腑との間に深いかかわりがあると考えてきました。

七情とは怒・喜・思・憂・悲・恐・驚の七つの感情です。

これらの感情が強すぎたり、長く続いたりすると体調不良の原因になると言われています。

イライラ怒り過ぎると肝の機能が低下し気の巡りが停滞して「気が頭に上る」。

瞬間湯沸かし器のように頭が過熱して逆上します。

ワクワク喜びすぎると精神を集中させることができなくなり事故やケアレスミスを起こしやすくなります「気が緩む」と言います。

クヨクヨ思い悩みすぎると胃腸を損ない「気が結ぶ」

シクシク深い悲しみや憂いが続くと肺気が弱まり意気消沈。

長期にわたると肺が傷つけられ声に力がなくなり徐々に気力が低下し「気が消える」と表現します。

恐れ過ぎると腎気が下に漏れ失禁が起きたりするので「気が下がる」と言います。

驚き過ぎると腎が失調し、心のよりどころがなくなり混乱状態になるので驚きすぎると「気が乱れる」と言われます。

高齢の方や、妊娠中や子供時代は腎が弱りやすいので、ホラー映画やお化け屋敷などで怖い思いをしたり驚きすぎたりすると健康を損ねます。

季節と五臓も関係が深く、春―肝―怒 夏―心―喜 長夏―胃腸―思 秋―肺―悲・憂 冬―腎―恐・驚と関連します。

秋に物悲しく感じたりメランコリーな気分になったりするのはごく普通のこと。

それが「しんどい・憂鬱」まで進展したら対策が必要です。