中医学の世界では、人の成長・発育・生殖にかかわるエネルギーを「腎気」と言います。
「女性は7の倍数」「男性は8の倍数」の年齢で節目を迎え、身体が変化するという言葉は薬用酒のコマーシャルでおなじみですね。
漢方の古典『黄帝内経』には女性の7歳から49歳まで、男性の8歳から64歳までの腎気から見た身体の変化が書かれています。
(年齢は数え年なので現代の年齢と少し違います。)
女性に関していえば7歳:歯が生え変わる
14歳:初潮を迎える
21歳:腎気が満ち、親知らずが生える
28歳:筋骨がしっかりして、身体が最も強くなる
35歳:肌の衰えや抜け毛が気になるようになる
42歳:顔がやつれ白髪が目立ち始める
49歳:閉経を迎え身体が衰える
この「節目の年齢」で自分の身体の変化が早まっていないかをチェックし「補腎」というケアでいつまでも若々しく健康長寿を目指しましょう。
「黄帝内経」に載っているのは女性49歳、男性64歳までですが、その後の長い人生を元気に生きていくには「補腎ケア」が必要です。
日本は平均寿命が世界一の長寿国ですが、「健康寿命(自立して、人の手を借りなくても生活していける年齢)」はどうでしょう?
男性の平均寿命は81.41歳 健康寿命は72.68歳
女性の平均寿命は87.45歳 健康寿命は75.38歳です。
その差の約10年間をいかにゼロに近づけるか、そのカギは「補腎」です。
女性は35歳以降、男性は40歳以降から年々衰えていく腎のパワーをコツコツケアすること(補腎)で、人生の曲線の下がり方を緩やかにすることが期待できます。
「腎は成長・発育・生殖を主る」にプラスして、現代では「腎は老化をコントロールする」とも言えるでしょう。