「あなたの身体はあなたが食べて消化吸収したものでできています」
食事は人生の楽しみの一つであり、コミュニケーションでもあります。
あまり神経質にならずに美味しく楽しく食べることが何より大切です。
これからの時期は季節のイベント食やご馳走三昧で胃腸に負担のかかることが多くなります。
食べたものを吸収して、臓腑や器官を動かすエネルギーにするのは胃腸です。
胃腸機能が万全でなければ、せっかく身体に取り入れた食事を活かしきることができません。
どれだけ栄養を摂っても、食事のバランスに気を配っても、食べ物や水分を吸収して身体の隅々の細胞に送り届ける機能が十分でなければエネルギー不足となり、身体に不調が起きることになります。
身体を樹に例えると根っこに相当するのが胃腸です。
この大切な消化吸収系を中医学では「脾」という臓が担っていると考えます。(解剖学の脾臓とは異なります)
日本人は胃腸が弱い民族と言われています。
これは湿気が多い土地柄・生ものや冷たいものを食べる習慣・ストレス過多などが関係しています。
「脾」の働きと特徴は、消化吸収運搬のほかにも「血」が漏れ出ないようにする・臓腑を上に引き上げる力を持つ・口や唇と関係が深い・湿気に弱いなどがあります。
「脾」が弱ると疲れやすい・軟便下痢又は便秘・やる気が出ない・朝起きられない・胃や子宮等臓器の下垂・食後に眠くなる・青あざや出血が止まりにくいなどの症状が現れます。
舌の輪郭に歯型が付く・舌の正面にベトベト白い苔が付く・舌全体が大きく腫れぼったいなどで舌がお知らせを出してくれます。
中医学の知恵を用いて「脾」を丈夫にすることで、もっと健康的にお腹がすき、食事が美味しくなり元気に美しく快適に日々の暮らしを楽しめるようになります。