春~夏に増えてくる症状に「起立性調節障害」があります。
子供の病気と思われがちですが、成人後も症状に苦しむ方は少なくありません。
症状は起床時の立ち眩み・めまい・倦怠感・動悸・頭痛・腹痛・朝起きられない・午前中は症状が重く、午後になると軽快し、夜は一番元気に。
決して怠けているわけではありません。
朝に向けて活発になるはずの交感神経が活性化されず、午後に遅れて活性化するため、夜更かしになり朝起きられないという悪循環に陥ります。
原因としては、★血圧を調節する自律神経のバランスの崩れ ★思春期のホルモンバランスの変化 ★行動制限が続き生活習慣の変化と運動量の低下
漢方での治療は大きく二つに分けられます。(体質によって)
❶水毒(痰湿)タイプ 雨天や低気圧で悪化するので梅雨時から夏にかけて体調を崩すことが多くなります。水毒による立ち眩み・めまい・頭痛に水はけを良くする漢方を使います。
朝はスッキリ目が覚めず、夕方元気になる「フクロウ型体質」の第一選択漢方です。
舌には白い苔が厚く付いたり、歯形がついたりします。
❷津液と元気不足(気陰両虚)タイプ 夏場の気温上昇→血管拡張→血圧低下。
加えて発汗→津液不足と気の消耗。
「五味子」で発汗過多を抑制「麦門冬」で潤いを保持「人参」で元気をつけるこの3つの薬味で構成される生脈散が適しています。
舌は真っ赤で苔が無く亀裂が入っている人向きです。
❶は身体に水たまりができている状態 ❷は身体が日照りで疲れた状態
そのほかにも「気」というエネルギーを上の方(脳)に上げられないタイプ
生理の月経過多で血虚になっているタイプ
胃腸が弱く栄養が取り込めないタイプ
ストレスから血流が悪くなっているタイプ等さまざまな原因が考えられます。
じっくりお話を伺い、舌を見せていただき、血流計で毛細血管を観察し表情などからも体質を見極めて治療していきます。