ときのや薬局 健康コラム

健康コラム

2011/07/20

夏太りにご用心~条件は揃っています~

一昔前までは、夏はバテ気味で体重が減ってしまい、収穫の秋になって涼しくなると食欲が出て、又体重が元に戻り、冬の寒さに皮下脂肪を貯めて備えるという一年間の自然な体重の変化がありました。 ところが逆に最近は、「夏痩せどころか太っちまった。」という方が増えています。 ビールが美味しいせいばかりではありません。 夏には太りやすい理由があるのです。

 その1 夏は基礎代謝が下がって太ります。

冬は外気温が低いため自分でエネルギーを消費して熱を作り出し、体温を36度に維持しなくてはならないので基礎代謝が上がりますが、夏は暑いので自力で熱をつくる必要がありません。その分、冬よりも基礎代謝が下がります。 汗もかくし、疲れるし、夏はとても消耗する気がしますが、消費カロリーの70%を占める基礎代謝が下がれば太りやすくなります。 夏バテ予防にしっかり食べなくてはという思いがありますから、益々カロリーオーバーとなります。

 その2 相対的に栄養失調で太ります。

ビタミン・ミネラルは糖質や脂肪をエネルギーとして消費する作用を助けます。夏は汗と一緒にビタミン・ミネラルが多く排出されるため、この作用が低下します。消費が滞ればそのぶん体に蓄積されていきます。 又、夏はそうめんなどが美味しく感じ、ツルツルっと良くかまずに飲んでしまいます。満腹中枢にシグナルが届く前に大量に食べてしまいます。 しかも糖質中心の食事では余分のエネルギーが脂肪組織に蓄積されます。 糖質の吸収の早いもの(GI値の高いもの)ほど太りやすいです。 最近のくだものはとても甘く美味しくなっています。甘いくだものの取りすぎも要注意です。

 その3 浮腫みやすく、水太りになりやすい季節です。

エアコンの効いたところで過剰に水分を取ると血流が悪いために浮腫みやすいです。汗と一緒にカリウムが排出されると浮腫みやすく水太り状態に。 夏だからと糖分の多いジュースやアイス、麺類も浮腫みを悪化させます。

 その4 冷たいものを食べ過ぎると胃の周囲に脂肪を蓄え、冷えに対抗しようとします。

また、冷たい食べ物は甘さを感じにくいものです。スポーツドリンクの過剰摂取や冷たいデザートにも実際に感じる以上に糖分を含んでいることが多いです。

その5 夏はお祭り、暑気払い、お盆、同級会などご馳走付きのイベントが盛りだくさんです。

中医学では夏太りを予防、解消するための知恵がいっぱいです。 冷たいものの飲みすぎ食べすぎから胃腸を守り、 夏太りの原因となる「痰湿」という体内の不良停滞水分をうまく取り去る方法があります。 又飲み会のお供シリーズが充実しています。 飲みすぎたときの体調のパターンや、舌の様子などから、ご自分にあった予防策を講じましょう。