ときのや薬局 健康コラム

健康コラム

2011/09/23

取り戻そう日本人の食事~その9~日本人の代謝システム

前回、私たち日本人は欧米人とは違って独特の体の代謝システムや体の構造を持っているので、その体の特徴に合った食事をしないと体が順応できずに、食源病といわれる生活習慣病にかかりやすいと言いました。さて、その日本人の特有の代謝システムと日本人の宿命とは・・・・

1 腸が長い・・日本人は3000年も昔から穀類や野菜など繊維質が多く、吸収に時間のかかるものを中心に食べ続けてきたので腸がそれらを消化、吸収しやすいように欧米人より長くなりました。一方肉食中心で進化してきた欧米人の腸は肉を腐敗する前に排泄しやすい短い腸となりました。

2 インシュリンの出方がゆっくり・・・大昔から日本人が主食にしてきた米は吸収がゆっくりなので、血糖の上昇も緩やかなため膵臓からのインシュリンの出方が少しずつですむ体が作られました。ですから最近の軟らかく吸収の早い加工食品や欧米食の食べ過ぎに反応できるほど急激かつ大量にインシュリンを分泌し続ける膵臓を持ち合わせてはいないのです。

3 倹約遺伝子を持っている・・・飢餓に備えてエネルギー消費をセーブすることにより脂肪を蓄えるための遺伝子を日本人の40%の人が持っています。飢餓には強い体ですが飽食の現代では太りやすく痩せづらいということです。

4 乳糖を分解する酵素の活性が低い・・・ 日本人は離乳期以降急激に乳に含まれる乳糖を分解する酵素の働きが弱まります。乳製品は乳児には必要な食品ですが、成人は乳製品の摂りすぎには注意しましょう。

これらは、日本人は「農耕民族」、欧米人は「牧畜民族」という違い、また日本の豊かな自然と食歴によって私たちの祖先が民族の繁栄のために獲得した日本人独特のものです。この体に無理のない食事は「米+大豆+野菜+魚貝・海藻」なのです。