ときのや薬局 健康コラム

健康コラム

2011/09/27

菊の節句と目の健康

中国では奇数は縁起の良い陽の数とされ、一番大きな陽の数である九が重なる9月9日を、「重陽」(ちょうよう)として節句の一つとしてきました。

旧暦の9月9日というと現在では10月にあたります。

重陽の節句は別名、菊の節句とも呼ばれ、菊花酒を飲んで邪気を祓い長寿を願ったそうです。

菊の花といえば私たちはいろいろなお料理にして食べていますが、中医学でも「本草綱目」という古典には、杭白菊には「風熱を除き、肝を益し、陰を補う・・・」という薬効が記され、目の血を養い、目を健やかにすることが知られています。

漢方でも花粉症の目の痒みや熱感をさまし、目の乾燥感を潤すために菊の花の含まれている処方があります。

香菊花と言う名前で菊の花のお茶もあり、香り高く美味しいお茶です。

現代ではパソコンや携帯電話、TVゲームなどによって何かと目を酷使する機会が増えていますね。 

中医学には「肝は血を受けてよく視る」という言葉があって、目は血液の貯蔵庫である「肝」と深いかかわりがあると考えられています。 

肝は目の潤いや充血、視力とも関係しております。

中医学では目の疲れを大きく2つに分けて対処します。

目の機能を高めるために必要な血液が不足している「肝血虚」(お産後目を使うな、本を読むな、テレビを見るな、と言うのはこの理由)タイプと、
老化現象で、肝と腎の機能が衰え、身体に必要な潤いが不足した「肝腎陰虚」タイプです。

後者のタイプは体内の陰と陽のバランスが崩れて陰が減ってしまい、目の充血・渇き・疲れ、手足のほてり、のぼせ、足腰のだるさ、寝汗などを伴います。 

こんなときには杞菊地黄丸が非常に有名で効果も期待できます。

老化防止作用も併せ持つので多くの方に親しまれている漢方薬です。

10月10日は目の日です。いつも頑張っている目をいたわってあげましょう。