ときのや薬局 健康コラム

健康コラム

2011/10/20

関節痛・腰痛・神経痛は気・血の流れを良くして改善

 急に寒くなったせいか、店頭でも関節痛や神経痛などの痛みのご相談が多くなりました。

こんなことからも冬の訪れを感じます。

関節や筋肉の痛みを特徴とする症状を、中医学では総称して「痺症」(ひしょう)といいます。

「痺」には“つまる、通じない”という意味があり、関節痛や神経痛などの痛みの症状は、体内を巡る「気・血」の流れが滞って経絡が通じなくなることで起きると考えます。

その代表的な原因は冷えと湿気。冬の寒さや夏の冷房、梅雨時の湿気や過剰な飲食による水分停滞などが体内で気・血の流れを邪魔し、痛みの原因となるのです。

こうした冷えや湿などの停滞が続くと、慢性化して痛みが強くなることもあります。

中医学では、「不通則痛(通じていないと痛む)」という言葉があり、治療は気・血の流れをスムーズにして経絡を通すことを第一に考えます。舌をチェックして白い苔が厚くついていたり、舌の裏側の静脈が黒く浮き出ていたりしたら流れの悪い証拠です。

又、加齢や疲労、病後などによる虚弱体質で気・血が不足していると、痛みが起きやすくなってしまいます。このことを「不潤則痛(栄養が潤わないと痛む)」といいます。

「腎」は骨の健康、「肝」は筋(腱、筋膜、じん帯)の働きと深いかかわりがあるため、加齢によって腎や肝の働きが衰えてくると関節が老化して痛みに繋がることもあります。

このタイプの養生は、まず体力を充分につけて体内の気・血を養うことが基本です。

高齢の方は腎・肝の機能を高めて関節の老化を防ぐことも大切です。

衣食住・運動など生活習慣の心がけと養生・漢方で痛みを予防しましょう。