ときのや薬局 健康コラム

健康コラム

2012/03/20

眼・耳・骨・脳と血管の若さを保つ「補腎薬」

私たちの体は目・耳・骨(歯)・脳・血管から老化の兆しを感じ取ります。

老化現象は早くから始まる人と、80歳を過ぎても元気はつらつの方がいらっしゃるように、人によって差があります。

前回、老化と関係の深いのは「腎」であり、腎の弱りを「腎虚」と言うことを述べました。

解剖学上の腎臓ではありません。

中医学で言う腎とは生殖器系・泌尿器科系・免疫系・発育と老化・骨代謝の働きの事です。

中医学では老化を予防する事を「抗老防衰」といい、

そのポイントは「補腎」と「陰陽のバランスをとること」にあるとしています。

更年期を迎えると骨粗鬆症になりやすくなりますが、これも腎の機能低下と密接な関係があります。

性ホルモンの減少も腎虚と捉えます。

また中医学には「歯は骨の余り」という言葉もあり、老化現象で歯がぐらついたり、抜けやすくなったりします。

骨の中には髄が詰まっており、脳は髄が集まったものと捉えています。

ですから認知症の予防には補腎薬が最適です。

このほか「腎の華は髪」「髪は血の余り」とも言われます。

髪のツヤやコシが保たれるためには「腎」の力と血液が行きわたる力が必要です。

中医学では、耳や眼など外界の様々な情報が入ってくる入り口を「竅」(あな)と表現します。

「耳は腎の竅」といい、腎と聴力の関係を重視しています。

「眼は肝の竅」といい、肝と視力の関係も重視します。

重要な事柄を肝腎要というよう人間の健康にとっても「肝」と「腎」がしっかりしている事が重要です。

補腎薬は、補陰薬(潤いパワーを与えるもの)と

補陽薬(温め機能を活発にするもの)とに分けられます。

数ある補腎薬の中から体質に合うものを選んだり組み合わせたりして、健康寿命を延ばしましょう。