冬は食べ物の年中行事が多いですね。
元旦のお屠蘇に始まりおせち料理、
7日の七草粥、15日の小豆粥・・・
無病息災や五穀豊穣を願って昔の人はこれらの薬膳で病気の予防と養生に努めたのでしょう。
厳しい自然環境の地域の方が、温暖で食べ物に恵まれている地域よりも
伝統食や郷土食の伝承が盛んです。
病に対する畏敬や飢饉に対する危機感が強かったからと思われます。
お屠蘇は三国志の時代の名医華侘の処方で「白朮・桂枝・桔梗・防風」などが使われ、
飲みすぎ食べすぎ・過労や冷えから起こる風邪や胃腸炎の予防と治療を目的に
お酒の中に浸して飲みます。
屠蘇という文字は邪気(ウィルスや細菌)を屠絶し、魂を蘇生するという効能から名づけられました。
七草粥は、お正月でお餅やお酒やおせち料理が続いた時に、胃の負担を軽くし、
ご馳走の食べすぎで体に溜まった「湿熱」をデトックスします。
「湿熱」が溜まると皮膚病が悪化します。
小豆粥もご馳走が続いた後で消化を助け、浮腫みを取る利尿剤として
「水毒」を除去するために小豆が入っています。
マメに元気でという語呂合わせもありますが。
中医学では人間も自然界の一部と考えます。
「冬は陰の気が勝ち、陽の気が弱る」季節です。
動植物は冬眠や葉を落として春の活動のためのエネルギーを蓄えています。
人間は冬眠はできませんが、寒い冬を元気に過ごすために季節と食物の調和を重視してきました。
冬は体を温める「陽の食物」を摂りましょう。
陰性の野菜も熱を加えて温野菜にして食べるくらいですから
体を冷やす砂糖・冷たい物・生もの・南国のくだものなどは控えたほうが賢明です。
冬は衣食住の全てで温めることを考えましょう。