日本は世界でもトップクラスの長寿国。
介護の制度や施設は徐々に充実してきました。
とはいえ、老後もできるだけ自分の力で生活を維持できることが理想です。
そこで今回は、漢方でできる認知症の予防と対策です。
漢方で考える認知症の原因は、大きく分けて4つ。
1 血の流れが滞る「瘀血」の状態になると、脳への血流を妨げることから、認知症の症状につながります。
物忘れ、頭痛、手足のしびれ、顔色・舌の黒ずみ等や循環器系の症状が現われる方は血液循環を良くする「活血」の方法を。
2 脳の働きと深い関わりのある腎の精が不足する「腎虚」の状態になると、
脳の機能低下に。
腎虚の症状は骨や歯がもろくなる・排尿の悩みが起きてくるといった様々な老化現象として現われます。
中医学では「腎精は髄を生み、髄が脳を維持している」と言われます。
腎虚には「補腎薬」がお手伝い。
3 胃腸の働きが弱く全身の「気血」が不足する「脾気虚」の人は身体にエネルギーを運びきれず、脳の機能も低下気味に。
胃腸が弱い人、体力が落ちている人は、「補気薬」「補血薬」で「健脳」しましょう。
4 ストレスなどが原因で気が滞る「肝鬱」の状態も認知症の原因となります。
肝の機能がうまく働いていると、全身にきれいな清気がいきわたり脳の働きも活発になります。
イライラやストレスは気の流れを滞らせ肝鬱を招きます。
「理気薬」でストレスを吹き飛ばしましょう。
少しずつ、身体の機能が衰え始める中高年以降は、
特に腎・肝・脾・血を守り認知症の予防につなげましょう。