ときのや薬局 健康コラム

健康コラム

2015/09/08

夏の消耗は「陰」(潤い)で回復! 秋を元気に

スイカや冬瓜・夕顔などの瓜科の食べ物は余分の水分(湿)を追い出し、ほてりをさます働きがありますので今年の夏はたくさん召し上がったことと思います。

これからは梨が美味しい季節になりますね。

自然の恵みはありがたいです。

必要な時にその時期に必要な作物が出回ります。

梨は潤い補給に最適です。

甘くてほんの少し酸っぱい物は「酸甘化陰」といいます。

酸味の物と甘味の物を同時に摂ると身体の潤いの元(=陰)が増えますよという意味です。

猛暑の夏には汗をかきますので身体の「陰」を消耗します。

中医学で「陰」とは単なる水分のことではなくて、体を潤す力のことです。

「陰」は皮膚に関しては潤い、瑞々しさ、弾力など美しさの元です。

妊活に関しては卵胞を育てる力のこと。

陰が消耗すると低温期の基礎体温がガタガタ、低温期が36.5℃を超えてくる、排卵期のおりものが減るなど妊娠しにくい状態に。

「陰」を消耗すると質の良い卵が育たなくなることもあります。

秋から冬に蓄えていた「陰」は春から夏の活動期で汗をかく時期に消耗されてしまいます。

ですからまた秋から冬に「陰」を蓄えておかなければなりません。

こうして陰と陽のバランスを整えます。

特に秋は空気が乾燥します。

乾燥した空気は「燥邪」となって人間の喉・鼻・気管支・皮膚を襲います。

粘膜や皮膚はカサカサ系のトラブルが起こります。

アトピーさんにとっては厳しい時期ですね。

夏に多い口内炎も胃に負担がかかることや身体の体液が消耗することで余分な熱を生じ、口内を潤す力が足りなくなることで発症します。

舌の表面に亀裂ができていれば「陰」が消耗されている証拠です。

「陰」が増える時間帯は夜です。

日が沈んでからの時間を穏やかに、ゆったり過ごすと、この陰を育てる力が養われます。

ですから夜の睡眠はとても大切です。

秋の夜長はゆったりとリラックスして睡眠を十分に取って陰を育てましょう。

中医学漢方では「陰」を育む補陰薬が充実しています。