ときのや薬局 健康コラム

健康コラム

2016/08/01

梅雨から残暑までは「胃腸の働き」が健康のカギ

雨が多くジメジメした日が続くと食欲不振、だるさ、軟便下痢、むくみ、頭痛、などの夏痩せや夏バテ症状が現れます。

これらの症状は「胃腸の消化機能低下」と関係があります。

梅雨の湿気と冷たいものや生ものの摂りすぎも原因します。

私たちの体は、飲食物を消化吸収しエネルギーを作り出し生命を維持しています。

中医学では消化器系のことを「脾」(西洋医学の脾臓ではありません)と呼び、脾が働くことで、飲食物から気(免疫力やエネルギー)や血、津液(潤いとなる必要な水分)、精(生命の根源物質で熱エネルギーの元)を作ると考えています。

健康を維持するためには食べ物も大事ですが、胃腸の働きが正常であることがもっと大切です。

若い女性の中には「ポパイのオリーブさん」のようにスラーとしたモデル体型で手足が長く細く華奢な方が多くなりました。

典型的な「脾が弱い」体格です。

食欲がなくて少食なのか? 食べているのに吸収力が弱くて筋肉が作れないのか?

手足に筋肉をつけるのは中医学では「脾」の働きです。

どちらも「脾」が弱い証拠。

また逆にそれほど食べていないのに太っている人も「脾」が弱い場合があります。

脾の働きである水分代謝が悪く、余分なものが体にたまってしまいダイエットの効果が上がりません。

痩せも肥満も脾を強くすることで対処します。

脾を強くするには①胃の中は37℃をキープ(冷たいものを飲んだらその後は温かいものを摂って37℃に。消化酵素はこの温度で働きます)

②1口30回噛んで

③寝る前は食べない

この3つを守ることから始めましょう。

舌の輪郭に歯の跡がつく、舌がぼてっと膨らんでいる、舌の表面に苔が厚くつくのは脾が弱っている証拠です。

夏は胃腸を守ることが元気に過ごすコツです。

金井の漢方相談に時間がかかるのは「脾」の大切さをお話ししているからです。

良かれと思ってやっていることの中に案外「脾に負担のかかっていること」があるからです。